同窓生だより 土木1期 下村達也

『同窓会への寄稿』

理事会メンバー

土木1期(S49年卒)の下村達也です。
昨年、10月に郷里苫小牧へ戻り、セカンドステージへ向け充電中でしたが、「諸般の事情」により平成28年度の樽前会理事を引き受けることになりました。みなさん、よろしくお願いします。
その初仕事として、柴田情報委員長、山口同副委員長からホームページ「同窓会便り」への投稿を頼まれました。両委員からはホームページの同コーナーを再開したいとの熱い思いを伝えられ、笑顔で引き受けた次第です。思いつくままの雑駁な寄稿になりますことご勘弁ください。

 

 

『感謝/関東支部』

新卒生歓迎会

樽前会関東支部には2010年?2015年の足掛け6年の参加となりました。
卒業後、都内のゼネコンへ就職し、関東地区の現場へ配属となった自分には、日々の仕事を熟していくのが精一杯で、同窓会など全く意識したことはありませんでした。盆暮れに会う地元の友人たちとの一献が、唯一、苫高専OBであることを意識し、それで十分満足していたように思います。
時は流れ、本社勤務になったある日、突然、内藤先輩(機械1期)から巣鴨駅前の喫茶店に呼び出され、「支部を立ち上げるので、土木の世話人(連絡係)をするように」厳命されます。それが関東支部との関わりの始まりとなりました。
関東支部では1期の先輩たちが熱心だったこともあり、理事会ではいつも活発な議論が展開され、「人脈の宝庫」である同窓会は、「学科の垣根」を超えた交流が必要だという意見から「ビジネス交流会(異業種交流会)」が企画されます。また、若手会員を支援しようと、支部のホームページ、フェイスブックの充実にも注力していくことになります。「母校支援」は大切にしてきた活動の一つです。工場見学で上京する4年生への「出前講演会」は、直近に卒業した先輩が講師として講演するスタイルで継続してきております。若手の要望でスタートした「社会貢献活動」は、全く考えてもいなかった活動でした。財政破綻した夕張市の子供たちへ新図書を贈る「古本募金」活動や、がん患者支援チャリティーイベントの「リレー・フォー・ライフ」への参加などへ同窓会がチャレンジすることになります。
6年間、貴重で、アクティブな体験をさせて頂いた、関東支部の役員・理事、会員の皆様には改めて感謝申し上げる次第です。

 

 

『「求法高僧東帰図」/平山郁夫』

 

私がこの絵と出会ったのは、会社に残るか、退職するかを迷っていた3年前です。
還暦を迎え、役職を返上してサポート部門であと5年間の就業継続ができるシステムは、ありがたく魅力的でもあったのですが、男性の平均健康年齢が70歳と言われる昨今、自分に残された時間の半分犠牲にするようにも感じておりました。
そんな時、私は全く偶然に「求法高僧東帰図」に出会うことになります。その絵は私的な用事で訪問したある会館のロビーにありました。(ここでその絵を添付することはできませんが、下記ネットでご覧になってください。http://hirayama-museum.or.jp/museum/collection/buddhism.html
説明には「天竺への道を目指した、求法僧の中には、道に迷ったり、病に倒れたり、あるいは盗賊に襲われたりして目的を成就できなかった人も多い。この図は、天竺求法を終えて、中国へ東に向って帰る砂漠を行く集団の僧たちであるが、天竺への求法の旅を果たした何人もの僧たちがたどったその姿を象徴的に描いたものである」とありました。絵には11名の僧侶が描かれており、顔を上げ、前を見据える者、うなだれ仲間に従う者が描かれています。ふと、自分はこの中のどの僧なのだろうと思いました。自分にとって「求法高僧東帰図」との出会いは運命的なものとしか思えませんでした。この日、私は郷里へ戻ることを決めました。

 

 

『リレー・フォー・ライフ(命のリレー)』
http://relayforlife.jp/aboutrfl

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私が初めて「リレー・フォー・ライフ」に参加したのは今から9年前になります。
妻を「乳がん」から救えなかった自分にとって、そのイベントはとても不思議な光景に見えました。
イベントが24時間、夜通しで続けられること、そしてがん患者やその家族が会場で楽しそうに笑っていること、それは驚きであり、また今までに経験したことのない深い感動でした。
「リレー・フォー・ライフ」は30年前に米国でスタートした「がん征圧」活動です。それは一人の外科医が「がん患者」への支援を呼びかけ、24時間、一人で競技場を走り続けたのが始まりです。彼は1周するたびに募金をしてもらうチャリティーに挑戦するのですが、某テレビ番組の24時間ランナーと同様に、途中で力尽き、トラックへ倒れ込んでしまいます。それを見ていた友人たちが、彼を抱き起し、肩をかして歩き始めるのですが、その光景を見ていた彼のがん患者(女性)が、仲間でチームを作り24時間交代で歩き続けるイベントのアイデアを思いつきます。
がん患者は「24時間がんと闘っている」というメッセージを共有し、仲間と交替で歩きづける「リレー・フォー・ライフ」がこの時スタートしたのです。
私は、幼いふたりの子供のことを気にかけながら旅立った妻へとの約束を、このイベントに参加することで果たせると確信しました。

 

 

『歩き続ける』

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現在、「リレー・フォー・ライフ」は世界25か国、6千会場で開催される世界最大規模の慈善活動へと発展しています。日本では2006年にスタートし、昨年は全国47会場に約8万人が参加する規模になっております。世界中の「リレー・フォー・ライフ」は、すべてボランテアで運営され、準備期間も含めて非営利活動であることが、その広がりの理由と言われております。
苫小牧に戻り、同級生や後輩、恩師に「リレー・フォー・ライフ」を相談したところ、「やろう!」と言うことになり、今年2月に実行委員会を立ち上げ、活動をスタートさせております。
40年ぶりに再会した友人たちの人脈の広さには驚くばかりで、会う人が皆、本気で支援してくれます。今まで、彼らが如何にいい仕事をしてきたかと言うことが手に取るようにわかる気がした。
「リレー・フォー・ライフ」のPRのため、市内企業を訪問する機会を得たのですが、多くの高専OB・OG、そして後輩たちが素晴らしい活躍をしていることを知り、また、訪問先で「さすが高専生ですね」と言われるたびに、母校で鍛えられた「困難に立ち向かう」というスピリッツが脈々と生き続けていることに胸が熱くなりました。恩師から「新しい時代のチャレンジャーでありつづけろ」と教えられたことを思い出し、それを素直に納得できる自分がいることにも気付くことが出来ました。
仲間と作り上げた「リレー・フォー・ライフ(7/30~31・苫小牧初開催)」が実現しようとしている。
エンジニアとしての使命を、この先「がんと向き合う人」に寄り添うために使い切ることが出来るのであれば、「求法高僧東帰図」に描かれた僧侶のように、これからも仲間と一緒に前を見据えて歩き続けて行きたい。そんなことを思いながらこの寄稿を終えることにしたいと思います。

2016/07/01

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